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HANDS / 拍手喝采販売のご案内


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hands / 拍手喝采 designed by Ryohei Kazumi

COLOR : BLACK / WHITE

SIZE : S~XL

PRICE : 5,616 (tax in)


6月末に開催したOPEN OFFICEでPOP UP STOREを展開してくれたENTERTAINMENT。その際に会場で販売したhands/拍手喝采 Tシャツですが、遂にようやくお待たせしました、若干数ですがHPにて販売開始致します。なんのことだかさっぱり分からないアートワークと、もう完全に狂っているとしか思えない狂気の熱量&ボリュームのサイドストーリー。僕がタコマフジを始めた時のモチベーションを剥き身で突きつけられているようで、気分はヒリヒリしています。油性プリントのプチプチした肌触りが気持ち良いのも個人的には高ポイント。以下のテキストも必読です。是非宜しくどうぞ。


販売開始は8月10日土曜日21時からTACOMA FUJI RECORDS HPにて。



hands / 拍手喝采

あなたにとってピアノが大事なことは分かっている。でもね、それが何であれ、辛 くなった時は逃げてもいいのよ。いつ辞めたって構わない。そして、やり直すことだ って出来るの。それは誰も強制することでは無いの。

リサはそう言ってくれた母に、辞める決断がどんなに怖いか。自分にひとつしかな いものを辞めるという決断をしたことのない母さんにはわからないと、そう喚き散ら した時の、母の寂しそうな笑みを忘れられないでいる。母の言葉は確かに優しくて、 正しかった。でも、その言葉で安らぐほど、単純で安い女じゃないというプライドが リサにはあった。

リサ・エウトイは、未来のスター発掘と銘打ったテレビ番組に5歳当時、天才ピア ニストの触れ込みで取材を受け、その圧倒的な演奏力と、愛らしいルックスから話題 となった。出演する演奏会は完売を続け、芸能界入りを果たし、スター街道を駆け上 って行った。有り触れた話であるが、成長と共に、世間から興味を持たれなくなり、 成人を過ぎた頃には誰からも見向きもされなくなっていた。若かりし頃の成功体験は、 リサの人格形成に影を落とした。一度知ってしまった栄光は、プライドを肥大化させ、 若い心に贅肉をつけた。新たな目標を見つけられず、心の中の理想と、鳴かず飛ばず の現状との乖離を、世間の見る目がないのだと言い訳をつけて、逃げ出さない振りを 続けていた。そんな折に、母から投げ掛けられた言葉。それは、確信を突いていた。 今でも、昨日のことのように覚えている。その時の喧嘩が、母との最後の会話になっ た。それはもう、十年も前の話だ。

この国の冬は長い。止むことのない雪で、街は時間が止まったように静まり返って いる。全てを白く飲み込んで、みんな、何処かにいってしまったように感じる。顔を 刺す北風で、縮む身体を震わせ、リサは目当ての建物へ急ぐ。藍色の壁面のビルに、 目当ての店がある。やっとの思いでたどり着き、重たい扉を開けると、暖かな空気と 喧騒が迎えてくれる。静から動へ、扉一枚隔てて、分断された空間を行き来する時の コントラストが、生きていることを実感させる。いつものように席は埋まっている。 開店当初は真紅であったろうカーペットは踏み締められて、濁った黒が目立っている。 壁際にある、いつものテーブルに座り、厚手のコートを脱ぐ。リサはレストラン『ア ンコール』で週に一度、演奏をしている。馴染みのウェイターと挨拶をして珈琲を貰 う。これを一杯飲んだら仕事の時間。大きな店では無いが、ここでピアノを弾くのが 自分の精一杯。手を開いては握り、繰り返して、強張りが無いことを確認すると、ピ アノの前へ向かう。自分が自分でいられる限られた時間が始まるのだった。

何時もの客層は、何時もと同じ疎な拍手で応えてくれた。リサの演奏も何時も通り。 何時ものテーブルに戻ったところ、自分の席に見知らぬ女性が座っていた。長い黒髪 は緩くカーブし、大きくつり上がった眼が印象的だった。女性はリサを見つけると、 微笑んでから簡単な挨拶をし、正子と名乗った。 「いい演奏ね、迷いがあるけど冬に聞くにはちょうどいい」

見透かしたような視線を感じたが、不思議と不快感は無かった。 「あなたがリサね。リサ・エウトイ」頷くリサ。 「やっと会えた。さあ、座って。クッキーがあるの、食べながら話しましょう。積も る話があるから」

正子は、勝手に話を進めると、鞄の中から大ぶりのクッキーと花柄のティーカップ を2つ取り出し、テーブルに広げ出す。まるで、ここが自分の家であるかのような振 る舞いだったが、ウェイターは気にしていないようだった。リサのお気に入りの席は、 正子の用意したティーセットでいっぱいになり、いつもとは別空間のようだった。

立ったまま呆けていたリサは正子に促され、席に着く。その様子を見て、正子は満 足したのか、また、優しく微笑んだ。向かい合って正子を観察すると、薄い化粧だが、 深く黒い瞳が際立って見える。黒髪も漆黒そのもので、艶やかに光り、肩甲骨の辺り まで伸びていた。パンジーだろうか、花の形が連なったネックレスに、刺繍の入った 黒のゆったりとしたコート。若くは見えるが50代後半くらいだろう。記憶を遡って みるが面識は無いはずだ。 「あなたは忘れてしまったかもしれないけど、私はあなたを知っているわ。本当は、 あなたの演奏を聴いて帰るつもりだったのだけど、懐かしくなってしまって。つい、 声をかけたのよ」リサの視線から察したのか、正子が会話を切り出した。 「あなたは、もう一度、ピアノに本気になるべきね。あなたに才能は無いけど、あな たの血はまだ諦めてないように思うわ」

触れられたく無い話題だった。それに、全てを知っているかのような態度が癪に触 る。

「あなたは私を知っていると言う。何時です、何処で会ったのでしょう」 「そのことについては、いずれ時が来たら話しましょう。過去よりも、今はあなたの これからについての方が大事。その腕、錆びつかせたままで良いのかしら」

リサの眉がピクリとつり上がる。 「私はここでピアノを弾ければ幸せですし、錆び付かせているつもりはないです」

気丈に振る舞うリサに、正子はゆったりと時間をかけてから「嘘」とだけ言った。

正子の瞳は吸い込まれそうなほどに黒い。心を読んでいるに違いないとリサは思っ た。

「がむしゃらになって、うまくいかなかった時が怖いのかしら」

ピアノを始めた頃、真綿が水を吸うように、なんでも吸収できた。言われたことはす ぐに出来るようになったし、出来るようになることが嬉しくて堪らなかった。それに、 自分の演奏で喜んでくれる人がいる事は、純粋にとても嬉しかった。ピアノ椅子の高 さにベッドを設置してもらい、一日中、飽きるまで弾き続け、疲れたらそのまま横に なった。リサの生活は常にピアノの前にあった。誰よりも上手に出来るという、根拠 のない自信で溢れていたし、実際に、出来ると思ったことは直ぐに出来るようになっ た。リサにとってピアノを弾くことは息をするのと変わらない、当たり前のことだっ た。だから、躓き、その当たり前が、当たり前では無くなった時、何をすればいいの か、目の前は真っ暗になった。がむしゃらになる?そんなこと、当たり前にやって来 た。それでも上手くいかなくなった時、評価される事もなく無視されて、進むべき道 筋が何処を向いているかわからなくなった時、人はどうするのだろうか。友人もなく、 ピアノだけしかなかった自分は、寄る辺を失ってしまった事に気付かぬ振りをして、 それでも、必死に足掻き続けた結果が、この店で週に一度の演奏なのだ。それを否定 する権利があるのかと、正子を睨みつけていた。

「あるわ」

正子はリサを見もせずに、あっけなく答えた。

「あなたには技術はある。でも、問題なのは心。迷ったまま、空っぽのままでいると、 心はその隙間を埋めようとする。あなたは自身を信じきれなくなっているから、他人

の言葉や行動に目移りして、誰かの言葉で心を埋めようとしてしまう。現に、私の言 葉で動揺しているのが良い証拠。あなたは過度に自分と他人を比べようとする。それ ではいけない」

しっかりと見透かされていた。 「どうやら、あなたは私を疑っているみたいね。それでも、あなたの歩みが止まって しまっているのは確かだわ。そうやって、寄る辺を失ってしまった時、それを自覚す ることが必要よ。そして、此処までの自分を糧としながら、その自分を否定しなくて はいけない。ただ、否定して反対のことをすればいいわけじゃない。なんであれ、自 分が今までやってきたことに答えはある。それを信じなくては」

正子の言葉は、あの煩わしさを凝縮した、母の正しい言葉に似ていた。母との思い 出は、喧嘩ばかりだった。あの煩わしい懐かしさが、正子から放たれる一方的な会話 にはあった。 「じゃあ、私に何をさせたいの。まさか、正論を言うために、私に会いに来たとでも 言うの

リサの問いに、正子は大げさな調子で立ち上がると、両手を広げて言い放つ。 「私はあなたの緩んだ螺子を締めに来たの。あなたの母から頼まれた最後の仕事を終 わらせる為に。あなたは信じていないでしょうけど、私に出来ないことは無いわ」

そう言い切る正子の瞳は、嘘を付いているようには見えなかった。

「なぜなら私は魔女だから」

リサは朽ち果てたアップライトピアノの前で茫然としていた。200年前に作られ たというピアノは、屋根や上前板がひび割れて、大きな亀裂が入っている。閉じない 鍵盤蓋には、弾痕のような無数の穴も空いていた。鍵盤は大きく波打ち、いくつもの 欠落が見てとれた。そして致命的なことに、ひとつとて、鍵盤から音が鳴ることはな かった。半ば強引に連れてこられた正子の屋敷で、リサはこの朽ちたピアノで弾ける ように成りなさいと言われ、立ち尽くしていた。使いこなすまでこの部屋から出られ ないと正子は告げ、実際に金網で遮られた部屋は独房そのものだった。考えるまでも なく、これは立派な拉致監禁だった。それでも、正子の言葉に動揺し、ピアノのこと を考えずにいられなくなっている自分は、もう、おかしな人間になってしまったのだ と思うと、不思議と冷静になった。

朽ちたピアノでの練習は、当然ながら難航を極めた。何せ、音が鳴らないのだ。何 を目的に練習するべきか、そこから考える必要があった。数日はピアノの前に立ち尽 くして終わり、半分も残っていない鍵盤を、ただただ叩きつけるように弾いて、1日 を潰すこともあった。どうにかピアノを直せないものかと大きく空いた亀裂から中を 覗いてみたが、混沌とした内部は見るも無残で、時間とやる気を無駄にするだけだっ た。

そうやって、数日が経った深夜、朽ちたピアノを眺めながら、ふとした拍子に、自 分に似ていると独り言を呟いていた。はたと我にかえると、やはり、ピアノは自分と 似ているように思えた。すると、どうにか、このピアノと友人関係になれないものか と考えるようになっていた。そこで、ピアノを綺麗に拭き上げる事から始める事にし た。内部を直すことは出来ないが、せめて、外側だけでも、大きく入った亀裂に、丁 度良いサイズの木材を当ててやり、無くなった鍵盤には、おもちゃの積み木を並べ、 錆びついたぺダルには靴下を履かせてやった。そして、そもそも無かった椅子の代わ りに、ベッドを運び入れて設置すると、ピアノは見違えたように見えた。

音が鳴ることは無いが、このピアノならば、自分の演奏が出来る。自分でも笑って しまう、可笑しな確信があった。その思いのままに、積み木で七色になった鍵盤を奏 でた。朽ちたピアノはリサの頭の中で、美しい音色を奏で始めた。そこからは、長年 の鬱屈とした想いを吐き出すかのように、時間に囚われること無く、演奏を続けた。 いつ寝たのかも記憶が曖昧なくらい、弾き続けたリサは、ピアノを弾く自分を俯瞰で 見ている感覚すらあった。俯瞰で見る自分は、小さく痩せ細って見え、独りで弾くの が可哀想なほどだった。ふつふつと湧いてくる、遣る瀬無い気持ちを振り払おうと、 自分の隣に座り、連弾してみることにした。カノンや花のワルツ、ラフマニノフと思 いつく限りの曲を、自分と二人で弾き続けることで、細い腕と腕が絡まり合い、寸分 の狂い無く、理想の音を奏でた。その時初めて、自分で自分を褒めてあげたい気持ち になった。自分を許すことが出来るかもしれない、そう思うと涙が止まらなかった。 全てはリサの頭の中で起きている妄想の産物にすぎない。しかし、確かにリサは自分 と連弾をし、そこには自らを許すに足る説得力があった。

「いい顔になったね」 朦朧とする意識の中で、誰かにそう言われ、肩を叩かれた気がした。それが自分だ

ったのか、それとも正子だったのか。もうわからなかった。

暗闇が広がるステージの上では、伸ばした指先が何処へ落ち着くのかわからない。 客席から聞こえる囁きは、重なりあって騒めきになっている。高い音の咳払いが遠く で聴こえる。客席とステージの間を分断する形で、金網や穴が無数に空いた壁面が設 置されている。金網には、蝋燭の灯りで薄ぼんやりと照らされたパンジーの花束が括 り付けられている。客席からは、照明の落ちたステージの様子は窺い知れない。リサ の指先がようやく鍵盤に辿り着き、優しく黒鍵をなぞる。始まりの鍵盤を見つけると 暗闇の中で瞼を閉じた。雑音が途切れる僅かな沈黙に合わせて、眼を開けると同時に 鍵盤を叩く。視界は変わらない暗闇の中。聴衆が静まり返る。

リサは本名では無く、hands と名乗るようになった。自分との連弾という経験が、大 きな転機となり、自分の中に内包されていた、苛立ちや苦しさを受け入れ、自分を許 すことに繋がっていた。

朽ちたピアノでの演奏を達成した後も、正子からは自動演奏する電子ピアノに、登録 されていない曲を閃かせるまで連弾させられたり、ドラマーのコンクールに音の出な い朽ちたピアノでエントリーし、打刻音だけで客を沸かせろといった無理難題を幾つ も出された。そして、その全てを退けるうちに、親子程、年齢の離れた正子との間に、 友情に似た感情が芽生えていた。それは、もはや叶わない母との和解のようで、心に 出来たしこりが、小さくなりつつあるのを感じていた。正子には何か、思惑があって 近づいたのだろうとリサは考えている。彼女との出会いはリサにとって天災みたいな ものだった。それでも、自分がこんなにも変わっていくなんて想像すらしなかった。 変わらぬはずの生活が、突然、転倒を起こす。それまでの見方が、正子との出会いを 境に一変した。終わりなき日常は緩やかに、しかし確実に変化している。リサ自身、 全てはそうやって変わっていくと、そう、気づくのに時間がかかってしまった。この 演奏が終わったら正子には洗いざらい喋って貰おうと思った。今日の演奏は一度きり。 全霊の演奏中にも関わらず、心は落ち着いている。眼を開けても、閉じても何も変わ らず暗闇だけが続く。それでも自分の隣には信じられる自分がいた。

鳴り止まない拍手の中、ステージを後にする。

私の魔女は、微笑んでクッキーを手渡して来た。


texi by Takaaki Akaishi





# by tacomafuji | 2019-08-09 16:31 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

Pink Floyd performing "Echoes" at the ancient Roman amphitheatre in Pompeii , Italy



# by tacomafuji | 2019-08-08 15:16 | NOW PLAYING | Comments(0)

TAKK! UMA! FUGE!  designed by NIWA HIROKI (KAKUOZAN LARDER)


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914日、15日みなかみで開催されるNEW ACOUSTIC CAMP 2019のTシャツを作成しました。

今週末渋谷で開催されるこんなイベントでも先行販売されるようです。

妙に長いテキストも是非ご一読下さい。

TAKK! UMA! FUGE!

designed by NIWA HIROKI (KAKUOZAN LARDER)


COLOR : WHITE

SIZE : SXL

PRICE : 5,616 (tax in)


「東京にはいたるところにコンビニがあって、キャッシャーの脇でフライドチキンも売ってるじゃない?あれが最高に美味しかったわよね。それにしてもあの時代。。。みんながどうかしていたのよ。」ケタケタと特徴的な笑い声で自嘲気味に過去を語りながら、グイッとマルゲリータを飲み干し、気だるそうなバーテンダーにおかわりを促した。私は10杯目まではカウントしていたけど、それ以降は自身のアルコール許容量もあり、もう数えるのを止めた。バーテンも「もうお手上げだよ」とでもいいたそうな表情でこちらに目配せをしている。この10年、突如としてメディアから消えたクラウディア・コンドウは私の前で少し酔っているようだ。


 メキシコ・ティファナを中心として活躍していたルチャドーラ(女子プロレスラー)、La Gulaリング上の彼女とは別の、もう1つの顔が欧州を席巻した、常軌を逸した狂気のフードファイター、クラウディア・コンドウだ。全盛期の胃の容量は10kgとも15kgとも言われ、各地で残した数々の逸話は今も色褪せる事なく語り継がれている。代表的なエピソードを2つ紹介したい。ドイツ・ハノーファーの大食い大会では30分で300gのソーセージを71本、ビールをパイントで19杯を完食。直後のインタビューで「お金払うんでポテトとザウアークラウトも下さい」と流暢なドイツ語で語り出したエピソードはあまりにも有名だ(動画サイトにて視聴可能)。また、ノルウェーのトナカイステーキ大食い大会は地元のテレビ局で生中継され、その食事マナーの悪さ(ナイフとフォークを使わず、箸をクワマンスタイルで操り、咀嚼せずに丸呑みする)に非難が集中、以後同国内で大食い大会は実質放送禁止とされている。放送から20年以上経った今でもそのインパクトは絶大で、現地で「大食い」と「丸呑み」は「コンドウ」と呼ばれるのは勿論彼女に起因する。コンドウの活躍が地元メキシコやアメリカではなく、欧州でのみに限られている理由には諸説ある。一説には生まれつき極度の豆アレルギーのため主食が豆のメキシコ国内では勝負にならなかったと言われているし、現役当時は健気にも家族に顔バレするを恐れていたためとも言われている。当時のインタビューで本人はこれらの説を否定していたが、今回の取材時に改めて尋ねたがはぐらかすばかりで真相はやはり闇の中のままだった。


 たった1度だけ実現した、現役時代の彼女の来日はまさにフードファイターとしては全盛期だった200310月だった。欧州での爆発的人気は遠く日本まで轟き、来日時の成田空港では警備員は2万人配備され、「ベッカムやペヨンジュンは知ってるけど、コンドウってババア誰だよ」と訝しがる警備員に蔓延するダルさに反して、その数をはるかに上回り押し寄せる群衆(通称コンドマニア)に自衛隊が出動、装甲車に先導されながら新宿のホテルへ移動するのを地上波全局が生中継した。数日後、彼女を招聘した日本のテレビ局主催の大食い番組に参加するも何故か一口も食事に手をつけず敗退。試合後彼女は「日本食が食べたかったのよ、チャイニーズはもう十分」と語った(予選のメニューは横浜中華街での1m揚げたて春巻き)。後述するようになんとも残念なエピソードが多かった彼女の来日だが、帰国前に立ち寄った築地の回転寿司では大勢のファンの目の前で1時間弱で280皿を完食しその実力の片鱗を覗かせた。その際、寿司に醤油を直接かける食べ方が原因で店主とクラウディアの取り巻きがつかみ合いの喧嘩に発展。それがなければ400皿は食べていただろうと後に語っている。


 この来日時、話題になったのが彼女の取り巻きとして大挙してやってきた通称クラウディア軍団(全員中年女性)についても触れておかねばならない。既にフードファイターとして名を馳せていた彼女には身元の怪しい多くの取り巻きが常に数十名行動を共にしていた。その殆どは彼女の利権を食い尽くす輩のような連中だった。街に繰り出す際には常に大声で彼女の名前を連呼し、夜な夜なホストクラブに繰り出してはシャンパンタワーをスクラップ&ビルド。中には違法薬物を所持するものや拳銃を所持するものまでいたという。滞在したホテルのスィートルームはその後全面改装を余儀なくするほどに破壊され、招聘したテレビ局は数億にも及んだと言われる飲食代と改装費を負担した。


 今回の取材で久々に現れたクラウディアは、現役時代のあの人を射抜くような、第一回UFCに出場した時のホイスのような蛇レベルのヤバイ目つきは影を潜めていた。どこまでも深く蒼いその瞳は、少しの侘しさを湛えているようでもあった。しばしの沈黙の後、本題であるTシャツについて彼女に切り出した。コンドウ来日時に彼女とそのスタッフが着用していたTシャツの完全復刻版、それについてだ。現存するオリジナルTシャツがないため、当時の映像と元クラウディア軍団のメンバーや友人の証言を元にタコマフジとコンドウを敬愛する名古屋の火薬庫・KAKUOUZAN LARDERが手を組み4年の歳月をかけて忠実に再現したこのTシャツ。TAKK!はノルウェー語で感謝、UMAは未確認動物、FUGE!はドイツ語で逃亡を意味し、各国で残した逸話のインパクト、彼女への畏敬の念を伺わせる。彼女の試合中、ファンが送る掛け声(ATTACK YOU'RE HUGE!)の当て字だと主張する元クラウディア軍団のメンバーもいたが、それを否定するものもいた。このあたりの真相もまた闇の中だ。海洋動物一のグルメとして知られる巨大ダコが陸に上がり馬を捕食する様は彼女のその独特の食べ方からタコに例えられた彼女と、その彼女に食い尽くされる欧州をなぞらえたものである。このメタファーは間違いないと複数の証言が一致した。あっという間に空になったグラスをカウンターに置くと「そろそろ晩ご飯の準備をしなくちゃ。ソパ・デ・トルティージャを仕込まないと。うちの亭主の大好物なんだ」そう言うと、また独特な笑い声をあげながらゆっくりと席を立った。「で、このTシャツタコマフジからリリースしていいんですよね?ニューアコも協力してくれているんです。」既に酩酊に近い状態ながら、かろうじて放った私の問いかけに、彼女はニッコリと笑ってウィンクした。


クラウディアは2019年現在62歳、地元ティファナでストリップバー

DANCE KARATE」の経営者として7人目の夫と穏やかな余生を過ごしている。

*このストーリーは勿論100%フィクションです。



NIWA HIROKI

ハンバーガー&アートショップ"KAKUOZAN LARDER”オーナー。

20歳の時に留学したNYでの原体験を元に2012"KAKUOZAN LARDER”をスタート、

アーティスト/ショップとのコラボグッズ&オリジナルグッズを製作し

全国各地から台湾までを駆け巡るネバーエンディングな

POPUP SHOPツアー開催中。

串カツSHOP"今夜はらだ八"、台湾料理/グッズ

"タイワンシャオツーハウスハオツーハオツーハオツー"としても活動を行う。



# by tacomafuji | 2019-08-08 14:30 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

RIP, King Harley Race.







# by tacomafuji | 2019-08-02 08:39 | 日々雑感 | Comments(0)

TACOMA FUJI RECORDS POP UP STORE @ NEPENTHES NY


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昨年の11月頃、突然お誘いの連絡があり、その後何度かのやりとりを経て
NEPENTHES NYにてPOP UP STOREを展開して頂く事になりました。
思えば18の時に同級生で現在は白馬五竜の帝王になった英樹さんが着用していた事で
初めて知ったネペンテス。時を経て20代後半あたりはとにかく仕事ばかりしていて
お金を使う暇もなく、やたらと金回りのいい時期だったのでとにかくよくネペンテスで
買い物をしていました。もう人に言えないくらいの金額と量だったなー。
今もタコマのTシャツ以外ではENGINEERED GARMENTSとWORKADAYばかり
着用しているので、今回のPOP UP STOREの話は嬉しい以上にまずビックリというのが正直な感想。

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NYのスタッフからのリクエストがきっかけで、一部旧作を関係各位了承のもと若干数復刻。
こうやってみると最近のものよりもなんというか、味付けが濃い。相当濃口だな。

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POP UP STOREのアイコンとしてジャガード織りのブランケットも作成しました。
このブランケットのために五木田さんに作ってもらったオリジナルのコラージュ作品がベース。
アメリカ製のこのブランケット、原画との雰囲気の違いも味わい深い出来栄えです。
少数限定ですが販売予定もする予定です。

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そしてそして、NEPENTHES NYでのPOP UP STORE開催を記念して会場限定のTシャツもリリースします。
NYカラーのネイビーxホワイトを基調として、タコマフジとネペンテスのロゴをマッシュアップ。
どんな大きなブランドでも、仲のいい人でも、ロゴをこんな具合に絡めたプロダクトは今後はもうないかも。
敬愛してやまないネペンテスへの敬意の現れとも言えるかと思います。

オープニングは23日。22日から僕は現地入りです。
あと、POP UPはひっそりとですが、同時に展開にて展示を行う
Shaun Crawfordは大大注目です。
POP UPはしばらく続くので、NYにお住まいの方、行く予定のある方は是非宜しくです。

楽しみ!


# by tacomafuji | 2019-05-21 16:46 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

俺のGW2019


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4月に入り、OFF THE GRIDから始まった1ヶ月は怒涛のように過ぎ去り、
明日から令和なんですねぇ。おはようご令和ス、なんつって。

今日は昼過ぎまで仕事をした後は今月に入って初めて初めてゆっくりできた。
風呂入って酒呑んで泥のように寝てしまおう。

ということで、GW明けから盛夏にかけて、今年は例年以上に忙しそう。
作家さんに仕事のお願いはするけど、ポップアップやコラボレーションみたいなことでは
僕発信で始まった事はほぼなくて、唯一あったのはこれくらい。
そんな「待ちの営業」に徹していますが、この夏は頑張ります。

「へぇー、昼前に事務所来て、夕方には家帰ってユルい毎日なのかと思ったらマジで忙しいんだ」
昨日フラッと事務所にやってきたタクミくんの一言。
冷静に考えたらメチャクチャ失礼なんだけど、本当にその通りだと思う。

DRIVE展にTHE WORKHORSE、ULTRA HEAVYとのコラボレーションに過去最大規模の今夏新作群。
いつもお世話になっているスペアザのマーチャンダイズにプラスして五木田さんのロンドン個展Tシャツに
Great Cossy MountainのTシャツ。ここまでが今年上半期、さぁ、下半期もほどほどに頑張るとしよう。

どうぞ宜しくお願いします。


# by tacomafuji | 2019-04-30 18:18 | 日々雑感 | Comments(0)

Great Cossy Mountain LOGO shirt販売のお知らせ

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Great Cossy Mountain LOGO shirt

PRICE : 6,264 tax in

COLOR : HEATHER GRAY

SIZE : S〜L


鹿の女

Great Cossy Mountain


山に分け入って今日で二週間が経つ。

一度、補給のために街へ降りた。コースを外れ、林道を一時間歩き、さらにバスで一時間。
その車中、僕の薄汚い恰好は、ありきたりの田園風景しか目に入ってこない
乗客にとって格好の暇つぶしになったはずだ。
途中、「日帰り温泉」の看板が目に入り、思わず停車ボタンを
押しそうになるが踏みとどまった。

街の蕎麦屋で腹を満たし、一週間分の食料を調達したらそれ以外何もすることが無く、
またバスに飛び乗り山へ戻った。すでに僕の居場所は街には無かった。

三十年前の山行記録と地形図から探し当てた忘れられた山道。
その道とは言えないほど荒れ果てた道もこの沢で終わっていた。
あとは沢沿いに少し下るとガイドブックにも載っている立派なトレイルにぶち当たる。
タープを張り荷物を整理し、ふと顔を上げると対岸に雌鹿が現れ草陰から
俺の顔を凝視していた。僕は目線を外さないようにゆっくりと川岸に近寄り、
その場に腰を下ろした。

彼女は言った。
「みんなは嫌いって言うけど、私は好きよ。人。」「そうか。君は昔、人だったのかもしれないね。」「あなたは、鹿だったかもしれない。」「あるいは、僕達は熊だったかも。」「人も鹿も熊も、人が勝手につけた呼び方にすぎないけれど。」
僕は目を閉じて一回深呼吸をし、再び目を開けた。
対岸の雌鹿は、姿を消していた。
そのかわりに俺の隣には綺麗な黒髪の白い肌の女性が座っていた。

「俺、臭わない?」「正直臭うわね。でも私、その匂い好きよ。」
谷の下流側から突然強い風が吹く。静かに揺らめいていた木々が突然ざわつき、
何枚かの若葉が風に舞った。彼女は風と共に消えていた。

僕は着ていたTシャツ脱ぎ、沢で丁寧に洗った。
染み込んでいた汚れが洗い流され、本来の色が姿を現した。
きつく絞った後、丁寧にしわを伸ばしタープを張っていたロープにかけて干した。

夕食の準備をするにはまだ早い。
僕はクッカーに沢の水を汲み火にかけ、インスタントコーヒーを淹れた。
コーヒーを飲みながら持ってきていた『モカシン靴のシンデレラ』を読み始めた。
開拓者の白人から、『シンデレラ』の話を聞いた北米先住民・ミクマク族が、
そこに登場する着飾ることでしか自己表現できない女(シンデレラ)と
見た目の美しさでしか相手を評価できない男(王子)のその薄っぺらい思考に対する、
アンサーストーリーと言われている。

本を閉じ、ぬるくなったコーヒーを飲みほした僕は腰を上げ、
干してあったTシャツを着た。Tシャツは既に乾いていた。

綺麗になったTシャツだが、そこにあった汚れは僕の目にはしっかりと見えていた。
良い旅だった。街に戻ろう。


国内のUL/MYOGシーンの草分け的存在でもあり、かつ異端なプロダクトを
発信する孤高の漢・大越智哉氏主宰するGREAT COSSY MOUNTAIN(以下Gコ山)。
そのブランドロゴを刺繍で冠したTシャツを作成させて頂く機会に恵まれました。
Gコ山のHPでは既に販売を開始してますが、タコマHPでも若干数販売致します。
コッシーさんっぽい、シンプルで骨太な具合です。
コッシーさんは酒を飲む所作や音楽の趣味が素晴らしいですね、
あとメールのやりとりの丁寧さとか(他にいいとこねーのかよ、の声多数)。
HPでの販売は本日金曜日26日20時からHPにて。

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同時に先日のOFF THE GRIDにて販売したZEN HIKER復刻Tシャツと
PACKLIST2019を若干数ですがHPにて販売致します。

こちらも併せて宜しくお願いします。



# by tacomafuji | 2019-04-26 16:10 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

GOOD BEER designed by Jerry UKAIのご案内


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(モデルは170cmちょっとでMサイズ着用)

GOOD BEER designed by Jerry UKAI

PRICE : 6,264 tax in

COLOR : NAVY

SIZE : S〜XL


Jerry UKAI ジェリー鵜飼

アートディレクター&イラストレーター。

1971年生まれ。静岡県出身。バリカンズ所属。

アウトドアやアパレル、CDジャケットなど、ファッション~カルチャー~ミュージックなど全方位にて活動中。

ULTRA HEAVY, MOUNTAIN POOR BOYSのメンバーでもあり、ここ数年は執筆活動も盛ん。


今期新作Tシャツ紹介のラストを飾るのは鵜飼さんのGOOD BEER!

そもそもはステッカー用に作成してもらったこのデザイン、昨年リリースしたキャップから

そのバカみたいにシンプルなメッセージが各所で好評だったのは記憶に新しいところ。

今期は遂にTシャツとなってリリースです。


販売開始は4月19日金曜日から、タコマフジHP及び各地の取り扱い店にて

販売開始予定です。


どうぞ宜しくお願い致します。




# by tacomafuji | 2019-04-13 21:44 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

THROBBING BUMS designed by Jerry UKAIのご案内


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(モデルは170cmちょっとでMサイズ着用)

THROBBING BUMS designed by Jerry UKAI

PRICE : 5,616 tax in

COLOR : BLACK / HEATHER GRAY

SIZE : XS〜XL


キングストン・アポン・ハル出身のコージー・メグスン(オルガン)と、ヴィクトリア・パーク出身のニール・トゥッティ(ギター)が1969年に結成したインストゥメンタル・デュオ、スロッビングバムズ。ハル大学在学中、クロスカントリーの選手だったコージーは1968年にトウィーズミュアで開催された第1回目のOMMに参戦するも遭難してしまい初日で失格となった。しかしその時迷い込んだ牧場の牛舎でギターを弾くニールと運命的な出会いを果たした。全身が泥まみれのコージー、そしてボロボロのワークウエアを着たニール。2人ともまるで浮浪者のように汚く、そして何かに熱狂する情熱を持った若者だった。目と目が合っただけで通じ合った2人はすぐに結婚。同時にスロッビング・バムズを結成し世界中を放浪しながら音楽を作り演奏し続けた。1977年に初来日を果たすとすっかり日本文化の虜となり、それ以降活動の拠点を東京郊外の檜原村に移す。結成50周年の今年は、ついに念願のファーストアルバムをリリースする予定となっている。コージーの足踏みオルガン(壊れており音が出ないキーがある)とニールが奏でるギブソンL-7Cの音が織り成す甘く切ないサウンドは、2人が体験してきた人生そのものが集約されている。齢71歳にして1stアルバムを発表するとインスタグラムでコージーが告知して以降、世界中の熱狂的なファンが狂喜乱舞している。

*このストーリーはフィクションです


Jerry UKAI ジェリー鵜飼

アートディレクター&イラストレーター。

1971年生まれ。静岡県出身。バリカンズ所属。

アウトドアやアパレル、CDジャケットなど、ファッション~カルチャー~ミュージックなど全方位にて活動中。

ULTRA HEAVY, MOUNTAIN POOR BOYSのメンバーでもあり、ここ数年は執筆活動も盛ん。


販売開始は4月19日金曜日から、タコマフジHP及び各地の取り扱い店にて

販売開始予定です。


どうぞ宜しくお願い致します。




# by tacomafuji | 2019-04-13 21:33 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)

LEMON SOUR designed by Tomoo Gokitaのご案内


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LEMON SOUR designed by Tomoo Gokita

PRICE : 6,264 tax in

COLOR : OATMEAL / WHITE

SIZE : S〜XL


Tomoo Gokita 五木田智央

1969年東京生まれ。

90年代後半に、即興的に描かれたドローイング作品により注目を集める。

近年は白と黒の色彩で描く人物画など、具体的なモチーフを見せつつも抽象的なペインティング作品を手がけている。

日本国内での広範囲にわたる出版・展示活動に加え、ニューヨーク、ロサンゼルス、ベルリンなど

海外の個展・グループ展にも参加し、高い評価を受けている。

www.tomoogokita.com



昨年からサンプルの試作を繰り返していたレモンサワーのTシャツをようやくリリース致します。

スタンダードなものからちょっと奇抜なものまで、配色はなんでもバッチリなのですが、

今回はあえて定番カラーからのスタートとさせていただきます。さぁ、乾杯しましょうかね。


販売開始は4月19日金曜日から、タコマフジHP及び各地の取り扱い店にて

販売開始予定です。


どうぞ宜しくお願い致します。




# by tacomafuji | 2019-04-13 20:16 | TACOMA FUJI RECORDS | Comments(0)